jpg NEO Sense of Horse Life Barbaroの8ヶ月に渡る闘病がもたらしたもの (2)

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Barbaroの8ヶ月に渡る闘病がもたらしたもの (2)

Barbaro-Jul14-03.jpg
骨折手術後、Dr.Richardsonにひかれて馬房に戻るBarbaro
May 21,2006
Photo by Penn


Barbaroの8ヶ月に渡る治療について、
獣医学的観点からその貢献=価値についてまとめてみたいと思います。


カルフォルニア大学、ディビスの馬医療センター長のDr.Gregory L. Ferraroや
アメリカ獣医師会のスポークスマンは、こう述べています。

「 Barbaroのオーナー、調教師そして獣医師団の決断と功績をたたえます。 
ほぼ絶望と思われていた骨折から、可能性を信じて彼をここまで回復させたことは、
他の多くの獣医師たちに、今後、馬の骨折治療に対する有効な示唆を与えてくれました。
治療開始当初から、ドクターを初めとしてオーナーや調教師は、馬の骨折治癒過程において、
体重負荷の問題で蹄葉炎などの炎症に襲われる可能性、
そして、その痛みのひどさのために、
今までほとんどの獣医師がその治療に不安を持っていたということは十分に認識していました。
そのため、彼らはその蹄葉炎を徹底的に回避するための処置を行ってきました。」

「 蹄葉炎は、競争馬にとって、1800年代から長い間不治の病とも言われてきました。
Barbaroの蹄葉炎予防処置は、体重のバランスを保つことを主に対処されてきました。 
しかし、他の馬の場合は、この恐ろしい病気を回避するために、
薬による対応であるとか体重負荷を軽減するための食餌制限などの方法をとってきました。
蹄葉炎は、いまだその発生病理学的には未知の部分もあり、
それがこの疾病を予防したり、治療する方法を困難にしている原因のひとつです。
今回のこのBarbaroの治療は、結果的には成功しませんでしたが、
今後の臨床獣医学において、確実に疾病の解明研究に役立っていくものです。」

「 加えて、1200ポンド(約500Kg)にもなる馬の体重を支える脚の負傷からの回復が
いかに困難なことであるかということを、私たちに改めて考えさせてくれました。
それは、残念ながら馬の持つ生理学的な問題であるわけです。
もし、人間が同じような骨折をした場合は、
何週間ももベッドに寝たきりでいなければならないほどの大変なものです。」

今後、世界中の獣医師たちは、Barbaroに施された体重バランス保持の方法や
ペインマネージメントから、多くのことを学ぶことができるでしょう。
また、骨折部位の固定に使用された改良プレートやボルトの使用。
手術の際の麻酔から安全に回復する術など、
その他にも多くの学ぶべき技術があります。
馬の麻酔時の覚醒期に馬が暴れて、そのためにまた新たな骨折を招く例があるからです。
それになにより、Dr.Ricardson自身の骨折手術技術の素晴らしさも忘れてはならないことです。
そのスキルは、通常の整形外科技術をはるかに越えるものです。
もちろん、Barbaro自身の聡明な治療に取り組む姿も忘れてはなりません。
スリングで過ごしている時も、彼は上手にバランスを取っていました。
そのため、治療の期間中、スタッフは、ずっとBarbaroの治療が長期に渡っても
安心して取り組むことができたのです。

しかし、それがすべての馬に応用されるとは残念ながら言えません。
馬主が喜んで、この大きな動物に治療費を支払うことをいとわないことと、
馬が頑強で健康であることが必要です。

残念ながら、Barbaroのようなケースは稀です。
彼の血統、裕福な馬主。
実際、Barbaroの治療中にもアメリカ国内はもとより世界で多くの馬たちが、
このような骨折事故の際、予後不良として安楽死処分されていったのです。
その経費は、初診に支払われるお金だけでおよそ数千ドル。 
一人の子供が一年間にかかる教育費に匹敵する金額です。


そして・・・
どんなに努力をしても、治る希望が失われた時は、やはり
「安楽死」という方法しかないという現実が立ちふさがっていることを
今回のBarbaroから学んだことの一番大事なことであるということを
私たちは忘れてはいけないと思います。

あの悲しい最期をどうにかして今後の馬たちから回避してやる方法を
見つけ出す努力
それをしていかなければならないと思うのです。
それは、その方法が見つかるまであきらめずに努力をしていかなければ
ならないのです。
強く、そう思います。


ニュースソース:"Barbaro's injury highlighted problems, medical advances"


lineblue02.gif


いまだに、ふと気がつけば、眼の奥が熱くなってきてしまうのですが、
彼の闘った8ヶ月の存在を決して忘れることのないように
過ごしていかなければ。。。
そう自分自身に叱咤する毎日です。



Barbaro-end-Jan29-2007Yahoo.jpg
New Bolton Center on Jan.29, 2007

We will continue to treat Barbaro aggressively
as long as he remains bright, alert and eating.


by Dr.Ricardson
Jan.28, 2007
我々は、Barbaroが生きる意欲に溢れていて食欲がある限り、懸命に治療を続けていく。

"I can't take this anymore."

he said on Ja.29, 2007.
彼にはもうやれることはすべてやった。
もうこれ以上は無理だ。





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