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最先端、最高水準の治療とは

Barbaro-anyday-default.jpg
Photo by Penn Vet Medicine

Barbaro のこの骨折治療で、
今注目の獣医外科治療の世界最高水準、最先端技術に触れる機会を
持つことが出来ました。

そういう状況下で、一進一退するバルバロの治癒の経緯、
容態について、
特に、最も恐れていた左脚の蹄葉炎の発症ということに
驚きの声を聞いたりします。

「 最新鋭の技術、最高級、最大限の治療を施しても、
  蹄葉炎をおこしてしまうのか・・・」

科学は進歩しています。 新しい治療法や新薬も開発されていきます。
しかし、
これらの成功率というのは、前例がないということもありますが、
もっとも大きな性質は、

「 その新しいものは、未知のもの、常にチャレンジである。」

ということなのです。

チャレンジには、当然未知のリスクが伴います。
誰もやったことのないもの、
誰も発見したことのないもの
それを試すことなのですから。

それは、臨床の世界に限らず、
新しい科学の発見や発明にも通じる性質です。

科学者や臨床家が毎日、努力を重ねていくことは、
統計的に、いつも100%のものを求めてはいるけれど、
100%のもの(動物、人)に当てはまるものではないということ、
いや、むしろ例外が起こる確率が常に存在するということ
そういう性質を持っているのが、
自然科学の世界であると思うのです。

ましてや、蹄葉炎に限らず、病状というのは決してまるっきり同じ
という個体(患畜=馬)は現れない( 存在し得ない )のです。
常にその個体、その時の状況という新しい対象です。
生体(馬)自身の性格、体の生理、傷の程度、環境 などなど・・・
様々な要因で発症し、その治癒経過についても様々な予期せぬ変化をもたらしてしまうわけです。
だから、いつも唯一の経験。

そういう意識を持って、Barbaroの主治医である
Dr.リチャードソンのコメントを胸に刻む日々です。

しかし、過去の多くの症例、実験例を元に、
データを集積し、治療方法の改良を重ねて、
そして、今回のBarbaroの治療があるわけです。

そして、驚くことに、
ペンシルベニア大の担当Dr.たちは、
四肢の体重負荷を均等にするために、痛めた右脚をかばって
対側の左後肢にもフットキャストをつけていました。
しかし、それはしっかりと巻かれてしまい、中に納まっている蹄の部分を
可視的にモニタリングが出来ませんでした。
もちろん、細心の注意を払って経過観察していたと思います。
しかし、その病変を発見したときは、想像以上にフレグモーネを起こして
酷い状態でした。
発熱というサインとおそらく血液検査結果で想像しているより
遥かに重篤に進行していたのだと思います。
それで、思い切って壊死部の80%を切除したのです。

新しいフットキャストは、中の様子が常に見えるような材質のもの、
グラスファイバー製のキャストに変えました。
これをいつ開発したかは、ちょっと資料がありませんから
言及はできませんが、
もし、Barbaroの治療中に開発設計したものであるとすれば、
ものすごい取り組みだと思います。


 「 馬医者修行日記 」の馬の専門医であるhigさんから
ご指摘いただきましたので、追記します。
” 新しいグラスファイバー製のフットキャストは、中が見えるものではない。”そうです。
材質の違うキャストに変えた理由は、
おそらく、蹄壁の80%を切除したため、
今までの蹄全体を覆うタイプのキャスト( これは、ペンシルベニア大の特許 )ではないものにした。」ということのようですね。
グラスファイバー製キャストは、新開発したものではなく、
従来から使用されているものだそうです。




常に状況判断をし、いろいろな器具を改良して作り上げる。。。
将に職人芸といいますか。
そういう臨床の現場に携わる獣医師の仕事を
今回のことで少しでも理解してくだされば、幸いです。


ちょっと今日は、熱く語ってしまいました。(汗汗・・・)





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コメント

#
 治療が修理と違うのは、一例一例個体が異なり、取替えがきかないことですね。

 グラスファイバーキャスト自体は、中が見えるものではありませんし、以前から使われている素材です。最初に左後肢に着けたfootcastはペンシルバニア大の特許のようですが、蹄の80%を切除したので、蹄を覆わないものに変えたのだろうと思います。
by: hig | 2006/07/19 14:38 | URL [編集] | page top↑
#
higさん、いつもありがとうございます。
foot castの情報、ありがとうございました。 
いろいろ、詰めの甘い文章ですので、また修正いたしました。
(滝汗・・・)
by: Jacaranda | 2006/07/19 21:37 | URL [編集] | page top↑
#
higさん、改めまして、こんばんは。

やはり、最初に左後肢に取り付けていたフットキャストは、
この大学の特許だったんですね。 
今回のBarbaroの骨折治療で、初めて見たような気がします。

今回のこの骨折治療に取り組むPenn のドクター達を見ていると、
「 臨床=治療 」とはなにかということを
改めて、考えさせてくださっている気がします。
だんだん、Barbaroの日々の姿を追っていくうちに、
本当に、自分の中に変化が出て来るのを感じます。
彼らの姿、しっかり掴んでいけたらと思います。
いつも、適切なコメントをいただき、ありがとうございます。

by: Jacaranda | 2006/07/19 22:21 | URL [編集] | page top↑

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